はじめに───

昨年読んで、静かに背中を押された本があります。
日本では2020年に刊行され、累計発行部数は50万部越えのベストセラー『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』です。
タイトルだけ見ると、少し強い言葉に感じるかもしれませんが、内容はとても現実的で、「お金を増やすこと」だけで終わらせず、いつ・何に・どれくらい使えば、人生の満足度がいちばん大きくなるのかを考えていく───という内容でした。
当ブログ「第二幕の整える暮らし」では、お金の置き場所を整えながら、時間や体力、そして未来を見据えつつ、今も楽しむことを大切にしています。
そのため、この本の考え方とは、とても重なるところが多いと感じたのです。
今回は、私自身の視点も交えながら、この書籍の本質を考えていきたいと思います。
「DIE WITH ZERO」要点は「お金」より「経験の配分」

この書籍の本質はとてもシンプルです。
- お金は“貯めるほど良い”とは限らない
- 体力・時間・好奇心があるうちに、経験へ回す価値が高い
- 「いつか」は、意外と来ない(来ても動けない)
もちろん、この本が伝えているのは「無計画にお金を使いましょう」ということではありません。
むしろ、後悔のない使い方をするためには、あらかじめ備えや計画を整えておくことが大切だと教えてくれます。
安心できる土台があるからこそ、迷わず経験にお金を回せる───
つまり、「守り」と「計画」があってはじめて、納得できるお金の使い方ができるのです!
お金の価値は“時間”と一緒に変わる
若い時期〜中年にかけては、体力があり、行動できる範囲も広く、挑戦したい気持ちや機会も多いので、同じ金額を使っても得られる「経験の満足度」が大きくなりやすいです。
一方で年齢を重ねると、お金があっても体力や健康、時間の制約が増え、行ける場所やできることが限られてくる場合があります。
その結果、同じ金額を使っても経験として受け取れる満足度は年齢が高くなるほど小さくなるということです。

「整える暮らし」との共通点は「未来の安心」と「今の納得」の両立

このブログでよく扱うのは、ざっくり言うと次の3つです。
- 固定費を軽くする
- 守り口座を分ける
- 長期投資を自動化する
「DIE WITH ZERO」では、ここにもう1つ軸を足します。
4.経験に使う枠を“最初から確保する”
「もう少し貯まってから」と思っていると、気づけばずっと貯めることが目的になってしまいがちです。
これでは、本来お金で得られるはずの経験を先送りしてしまいます。
だからこそ、家計を整えたうえであらかじめ“経験のための枠”を用意しておくことが大切なのです。
そうすることで、将来への備えと今の充実、そのどちらも無理なく両立できるようになります。
4つの財布(分けるだけでブレにくい)
| 財布 | 目的 | 目安 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 1.生活 | 毎月の固定費 | 月々の支出 | 家賃・光熱費など |
| 2.守り | 生活防衛資金 | 生活費の3〜12か月 | 医療費・失業時など |
| 3.育てる | 将来の資産 | 積立中心 | NISA・iDeco・国債など |
| 4.経験 | “今”の満足、自己投資 | 月/年で上限を設定 | 旅行・学び |
「金額」より先に経験の棚卸しから

いきなり「何にいくら使う?」と考えると、なかなか答えは出ないものですよね。
そこでおすすめしたいのが、順番を逆にする方法です。
まずは、やってみたい経験を大小問わず10個ほど書き出してみます。
次に、それぞれに「いつがベストか?」という視点を加えます。
すると、その経験に必要なおおよその費用が見えてきます。
最後に、その金額を無理のない形で家計の枠に収めるよう整えていきます。
流れとしては──
やりたいことを決める → 旬を考える → 必要な費用が見える → 予算の枠を作る → 実行する
というイメージです。
ここで大切なのは、最初から完璧な見積りを出そうとしないこと。「来年の春に1泊2日で温泉に行く」程度のざっくりした計画でも構いません。
まずは仮の箱を用意するだけで、実現できる可能性はぐっと高まるはずです!

先送りリストを作ると後悔が減る

この本が私に刺さった理由のひとつが、先送りの怖さでした───。
私たちは日々忙しく、今ある生活は守りたい── なので「落ち着いたら…」「子どもが大きくなったら…」と言いがちになります。
しかし、自身や親の健康・子どもの予定は毎年微妙に変わります。
そこで、私はこんな表で整理しています。
先送りリスト(例)
| やりたいこと | ベスト時期 | 先送りリスク | 最小プラン | いつやる? |
|---|---|---|---|---|
| 家族旅行 | 子どもが一緒に動くうち | 予定が合わない | 近場1泊 | 今年の秋 |
| 病院や歯科への通院 | 早いほど良い | 進行する | 予約だけ | 今月 |
| 学び直し | モチベがある今 | 熱が冷める | 本1冊 | 来週 |
ポイントは「最小プラン」を必ず書くことです。
全部やろうとすると足が止まるので、“小さくやる”を最初から仕込むのがコツです!
迷ったら、この3つのルールで判断するとラク

最後に、「自分は何を基準に決めればいいのだろう?」と迷ったときの考え方を、できるだけシンプルに整理してみましょう。
判断に悩んだときは、次の3つを目安にするだけで十分です。
- 今しかできない経験か?(旬があるか)
- やらなかったときに後悔が残りそうか?
- 生活や備えを揺るがさない範囲か?
この3つに当てはまるなら、前向きに選んで大丈夫です。きっと納得感のあるお金の使い方になります。
一方で、その選択によって生活費や守りの資金に無理が出るようなら、まずは支出や固定費を見直して土台を整えることを優先しましょう。
安心できる基盤があってこそ、経験にも気持ちよくお金を使えるようになります。
まとめ
「DIE WITH ZERO」の著者が伝えたかったことを一言でまとめるなら、「お金は最大まで残すものではなく、人生の満足度が最大になるように使うもの」という考え方です。
人はつい、“将来のために”とお金を貯め続けがちですが、体力や時間、挑戦できる機会には限りがありますよね。
だからこそ、元気に動けるうちに経験へ投資し、その記憶を人生の資産にしていくことが重要だと説いているのです。
経験は「若ければ若いほど価値がある!」ということです。
因みに、50代や60代で始めるのが遅いかと言ったら、そうではありません。
「思い立ったときにやってみる」「先送りにしない」というのが大事なんですね。

「DIE WITH ZERO」は、浪費をすすめているのではありません。
必要な備えは持ちながらも、“使うべきタイミング”を逃さないこと───
お金・時間・健康のバランスを意識し、後悔の少ない人生を設計しよう───
これが著者の最も伝えたかったメッセージなのだと思います。

最後に───

「整える」というのは、ただ我慢してお金を貯めることでも、勢いよく使うことでもありません。
大切なのは、自分と家族が納得できるバランスを見つけることだと思っています。
守り口座を整えるのは、不安に振り回されないためです。
長期投資を仕組みにするのは、将来への迷いを減らすため。そして、経験のための枠を用意するのは、限りある“今”の時間をきちんと味わうためです。
どれか一つではなく、この配分が整ってこそ、暮らしは少しずつ安定していきます。
もし今日、ひとつだけ行動するなら、「先送りしていること」を3つ書き出してみてください。
小さな事でも構いません。文字にするだけで、ぼんやりしていた未来がぐっと現実に近づくはずです。
無理をする必要はありません──
でも、先延ばしないことも同じくらい大切なのです。
自分のペースで、一歩ずつ。これからも一緒に、肩の力を抜きながら暮らしを整えていきましょう!
\\興味がある方はご覧ください//
最後までお読みいただきましてありがとうございました〜

